待望の2018年版「Mac mini」レビュー、4年ぶりのMac miniは何でもできる性能

待望の2018年版「Mac mini」レビュー、4年ぶりのMac miniは何でもできる性能



アップルが米ニューヨークで開催したスペシャルイベントにて、小型デスクトップ「Mac mini」の2018年版、新モデルが発表されました。

2018年11月7日に日本でも発売された新「Mac mini」の実機レビューをお届けする。
プロセッサーのみの小規模変更さえも4年前、デザイン変更に至っては2011年以来の7年ぶりとなるMac mini。今回のアップデートはファンを喚起させたことだろう。

 

Mac mini

待望の2018年版「Mac mini」レビュー、4年ぶりのMac miniは何でもできる性能

2018年モデルのMac mini

4年ぶりのリニューアルなった Mac miniは、スペースグレイになって登場となりました。寸法をみても外観的に殆ど変わっていないように思えるものの、その中身は4年の歳月を感じさせるほど大きく様変わりしています。

CPU は従来がデュアルコアのみだったのに対して、4コアの Core i3 から6コア Core i7 までを取り揃え、大幅に強化しました。またメモリーも標準は8GBながら最大64GBまでを選択可能になり、ストレージも2014年モデルはまだ HDD や、SSD と HDD を組み合わせた Fusion Drive なるものが用意されていたのに対し、新モデルでは128GBから2TBまで、いずれも SSD でを統一しています。

入出力は USB-C のコネクターを使った Thunderbolt 3 x4 の搭載が大きな変更点です。
このポートは USB 3.1 Gen 2 に対応しており、対応する機器を接続すれば最大 10Gbps の接続が可能です(Thunderbolt 接続の場合は最大40Gbpsに対応)。また優先LANも標準で1ギガビットイーサネットを採用しているが、オプションで10ギガビットに変更可能です。

一方で、オーディオに関しては 3.5mm のライン入力が廃止されました。
オーディオ入出力のデジタル接続もなくなりました。さらに SDXC スロットがなくなっているため、デジカメなどからカードを差し替えてデータを取り込みたい場合はアクセサリーを用意する必要があります。

 

スペック

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2018年モデルMac miniのスペック

 

mac mini
MAC MINI 2014
mac mini
MAC MINI 2018
発売時初期搭載OS OS X 10.10 Yosemite macOS 10.14 Mojave
プロセッサ 1.4GHz Intel Core i5(2コア)~3.0GHz Intel Core i7(2コア) 3.6GHz Intel Core i3(4コア)~3.2GHz Intel Core i7(6コア)
RAM 4~16GB 8~64GB
ストレージ 500GB HDD~1TB Fusion Drive or SSD 128GB SSD~2TB SSD
GPU Intel HD Graphics 5000
Intel Iris Graphics
Intel UHD Graphics 630
ビデオサポート 最大2台のディスプレイで2650x1600解像度
Thunderboltデジタルビデオ出力
(Mini DisplayPort、Dual Linlk DVI,VGA)
HDMI出力
(1080p60Hz、3840×2160,30Hz、4096×2610,24Hz, DVI)
最大3台のディスプレイ
Thunderbolt 3経由4096x2304 2台 と HDMI 2.0経由4096x2160 1台
最大2台のディスプレイ
Thunderbolt 3経由5120×2880 1台 と HDMI 2.0経由4096x2160 1台
Thunderbolt 3デジタルビデオ出力
HDMI 2.0対応ディスプレイへのビデオ出力
オーディオ オーディオ入力ミニジャック(デジタル/アナログ)
3.5mmヘッドフォンジャック(デジタル/アナログ)
HDMI 2.0(マルチチャンネル)
内蔵スピーカー
3.5mmヘッドホン出力
HDMI 2.0(マルチチャンネル)
入出力 Thunderbolt 2 x2
USB 3.0(最大5Gbps) x4
HDMI
SDXC
赤外線レシーバ
Thunderbolt 3(USB-C) x4
DisplayPort
Thunderbolt(最大40Gbps)
USB 3.1 Gen 2(最大10Gbps)
アダプタでThunderbolt 2、HDMI、DVI、VGAに対応
USB 3.0(最大5Gbps)x 2
HDMI 2.0
WiFi 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) 同左
Bluetooth Bluetooth 4.0 Bluetooth 5.0
LAN 1ギガビットイーサネット

1ギガビットイーサネット
(オプションで10ギガビット選択可)
重さ 1.9~1.22kg 1.3kg
寸法 3.6 x 19.7 x 19.7cm 同左
本体色 シルバー スペースグレイ
税別直販価格 4万8800円~ 8万9800円~最大46万3800円

 

インターフェースの種類が豊富になった

デザインに変更はないが、インターフェースには「時代」が現れている。2014年モデルでは、メインのインターフェースはあくまで USB 3.0 だった。USBが4つ、Thunderbolt 2 が2つという構成だったインターフェースは、USB Type-C と兼用の Thunderbolt 3 が4つ、USBが2つへと変更されている。

すなわち、ほかの MacBook などと同じく Thunderbolt 3 がメインになっているのだ。HDMIも2.0になり、4K で60Hz 出力が可能となっている。このあたりは順当と言えば順当な変更だろう。

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本体背面。左側から、電源・イーサネット・Thunderbolt 3×4、HDMI 2.0、USB 3.0×2。中央下部にあるのは排気口で、その右隣には3.5mmヘッドホン端子がある

ハードウェアの仕様として Mac mini にはディスクリートGPUが搭載されていない。そのためプロセッサに統合されたGPUである Intel UHD Graphics 630 が使われているが、動画編集やVR、ゲームなどでパワー不足は否めない。しかし、そうした問題は Thunderbolt 3 接続の外付けGPUボックスを使えば解決できる。今回は Mac mini 本体のみを借用しているため動作状況のチェックはできていないが、必要とあれば対応できるようになっているあたりが「今時」だ。

ところで Mac mini を買おうと考えている人の中には、「メモリーやSSDの増設が自分でできるのか」を気にしている人もいるだろう。結論からいえば、「基本は販売時に増設」。分解すればアップグレードが可能だが今回の Mac mini から難易度が大幅に上がった。
新型Mac miniのメモリ交換、自分でやるならこうだ!

Mac miniは、2014年モデル以降、メモリーは購入時増設が基本になり、本体内部へのアクセスが難しくなっている。裏蓋をあけることでメモリースロットなどへアクセスできそうだが、少なくとも筆者には、治具を使うことなく素手で裏蓋をあけることはできず。

デザインを見る限り、おそらくは2014年モデルと同様、後日のアップデートは難しく、自己責任であると思った方がいいだろう。

ストレージはSSDのみで、基板に直付けされている。
ポインティングデバイスは付属しておらず、Magic Keyboard(テンキー付き)- 日本語(JIS) – スペースグレイ、Magic Mouse 2 – スペースグレイ、Magic Trackpad 2 – スペースグレイなどが別途必要だ。

上位モデルは2013年のMac Proを超える性能

ベンチマークソフトの GeekBench 4 を走らせ、ウェブを使い、Adobe Lightroom CC で写真の現像をしてみた程度。その点はご了承願いたい。

今回試用したモデルは、CPUが 6コアIntel Core i7・3.2GHz でメモリーが 32GB、ストレージが1TB のものだ。CPUパフォーマンス的には、2018年モデルの Mac mini では最高のモデルである。ちなみに、同構成にすると価格は27万6800円(税別)となり、決して安くはない。

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CPUは 6コアIntel Core i7・3.2GHz で、メモリーが32GB

 

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メモリーはDDR4のモジュールが2つの構成で16GBが2枚で合計32GBだった

 

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GeekBench 4 でのデバイススペックチェック。モデル名が「Macmini8,1」であるのがわかる

 

というわけで、GeekBench 4 のスコアを見てみましょう。

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ベンチマークソフト「GeekBench 4」。Macだけでなくマルチプラットフォーム対応ソフト

シングルコアの値は「5562」、マルチコアの値は「27057」となっている。GeekBench に登録されている他のMacの結果と比較すると、シングルコア性能では2位、マルチコア性能では iMac Pro(2017年モデル、CPUはXeon)に負けるものの、2018年モデルの MacBook Pro・15インチモデルよりも上となっている。

そしてなんと、2013年発売とはいえ、「Mac Pro」より速い結果だ。現在のプロセッサー処理速度の進化を反映した、なかなか優秀な値である。

 

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CPUのベンチマーク結果。シングルコアが「5562」、マルチコアが「27057」とCPU性能に比した順当な結果。このコンパクトボディだと思えばかなりのハイスペックである

とはいえGPUが弱いため、Compute Results の値は「24541」と平凡。
今時のディスクリートGPUを搭載したPCならこの数倍の値であり、iPhone XS と大差ない。

 

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「Compute Results」の値は24541。CPU統合型GPUなので、そこまで高い値にはなっていない

好感をもったのは、ベンチマークソフトを回して高負荷をかけた状態でも、ファンの音がほとんど聞こえない。自室で空気清浄機が回っている状況で、ほぼ音が聞こえてこない。耳をすませば聞こえる……という程度。

コンパクトな製品を求めている人とってはもちろん、新Mac mini はうってつけだ。現在、PC用の4Kディスプレイはかなり安価になっており、品質も上がってきている。それらと組み合わせて使うことを考えると、安価にデスクトップ型のMacを買いたい人におすすめの製品となる。そしてもちろん、仕事向けに複数台求める人には、ほかに選択肢もない。

 

USB-C接続のハブは必須

従来は背面にあったSDカードスロットが省略され、デジカメ写真の取り込みがやや面倒になりました。従来からの欠点ですが、USBなどの端子類がすべて背面にあることも、USBメモリーなどを頻繁に抜き差しする場合は使いづらいといえます。これらのことを考えると、USB端子やHDMI端子を備えた USB-C 接続のハブを導入し、Mac mini 本体の手前や脇に配置するのがよさそうです。

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背面の端子には容易に手が届くが、コネクターを差し込むにはある程度背面をのぞき込まなければならず、手間がかかる

 

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USB端子やHDMI端子、SDカードスロットを備えるUSB Type-C接続のハブは必須といえる。写真は、サンワダイレクトの「400-HUB056GPD」

USB-C 対応のハブは今まで色んな製品を買ってきたが、ダントツで確実にオススメできるのがこれ。

この製品だけは発熱も抑えられ、どのポートもきちんと動作するが他の製品ではそうはいかない。今ではこれが自宅に3つあるぐらい。

話が逸れたが、アップル純正の Thunderbolt 3/USB-C 対応4Kディスプレイが存在しないのも、やや残念な点。サードパーティーでは、LGエレクトロニクス・ジャパンが LG UltraFine 4K Display などの Thunderbolt 3/USB-C 対応4K液晶ディスプレイを精力的に投入しています。しかし、ファンならばディスプレイもアップル製品でそろえたいと思うもの。純正品の登場に期待。

 

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Mac mini (2018) にはポインティングデバイスやディスプレイは付属しない

Thunderbolt 3接続の LG UltraFine 5K Display が接続可能。USB-C接続の LG UltraFine 4K Display など、USB-C接続対応ディスプレイもつなげられる。

 

まとめ:財布に余裕があったら買いたい製品

スペックをカスタマイズすると価格が急に跳ね上がるのも悩ましいところ。もっとも低価格なモデルは値ごろ感のある 89,800円(税別) で購入できますが、メモリーは8GB、SSDにいたっては128GBにとどまります。カスタマイズでメモリーを16GB、SSDを256GBにすると価格は133,800円(税別)となり、お買い得感は薄れます。せめてSSDは標準で256GBにしてほしかった。

新しい Mac mini は、最新のCPUやSSDを搭載してパフォーマンスを向上しつつ、接続端子を Thunderbolt 3 中心に置き換えることで、現代のMacにふさわしい内容になった。それでいながら、伝統のサイズや質感の高いボディーを維持しつつ、低騒音で快適に使えることをしっかり追求した点は評価できます。接続端子がすべて後ろにあるのはいささか使いづらいものの、USBやHDMIを切り捨てずに残した点は安心できるポイントといえる。BootCamp(macOSに標準搭載)やParallels Desktop(実売価格は税込1万円前後)を利用してWindows 10を導入すれば、本家Windowsにはない個性を持つ魅力的な小型デスクトップとなる。

これだけ小さく軽い Mac mini、自分の環境を自宅でも仕事場でも展開できる“モバイルデスクトップ”として使うのもよさそうです。持ち運ぶならばMacBookなどのノート型Mac、というイメージがありますが、ノート型は底面積が大きいだけに意外とかさばり、液晶パネルがあるので慎重に持ち歩く必要がある。その点、Mac mini はボディバッグなどの小型バッグにもラクラク収納でき、多少の衝撃も気にする必要はありません。T2チップの搭載により強固なセキュリティ機能が備わったので、万が一本体を紛失しても情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。